仕事の中で、相続や資産に関する税務にかかわりだした「きっかけ」って何だったろう。
たぶん、あれだよな・・・
ふとした時に浮かぶが光景あります。
もう20数年前、税務署で、毎日管内の会社に伺って法人税の調査をしている事務官だった時です。
いつものように調査先の会社にお邪魔して、「ここでちょっと休憩ね。」と、調査の合間に社長と顧問税理士と私で雑談をしていた時です。 社長が、
「あのさぁ、ちょっと教えてほしいんだけど。実はね、子供に会社の株の名義を代えておきたいんだけど、そうしたら税金って、贈与税?・・やっぱりかかるのかねぇ。」
税務署に勤めているとはいえ、法人の調査しかしたことがない私は正直どぎまぎしました。
「・・・たぶんかかると思いますけどねぇ。ちょっと・・贈与税のことは部門が違うので・・はっきりとはわかりません。」
今思うと、とんでもない回答してましたよね。若いというか、おそまつな応対だったと思います。
その社長は、今まさに自分の会社が調査されている状態なんだけど、恐らくずっと抱えていたいわば「個人的な悩み」を、調査にきた私に思いきって聞いてみたんでしょうね。
「あぁ、そうかい・・・。」悩みが解決できない社長の寂しげな思いが残ってしまいました。
「あの時、社長の悩みにこたえてあげられなかったなぁ・・。」
これがずっと、私に残ったのです。